環境は子どもの成長を促す”カギ”

環境は人に多くの影響を与えています。そして、子どもたちの成長を促す大事なカギでもあります。人的環境、保育システム、周囲に配置されたおもちゃ・遊びのコーナーなどの物的環境などに、子どもたちは多くの影響を受けています。保育園では、年齢に合わせた空間づくり、季節感を取り入れた部屋づくりをしています。

育児担当保育

0~1歳児は、保育園の中で安心感を持って生活できるように、食事・排泄には担当保育士がつき、温かく見守っています。担当保育士がいつも同じ手順で関わることにより、子どもが安心して母親以外の大人である担当保育士を信頼し、育っていける環境にしています。

異年齢保育

3~5歳児は、異年齢保育を行っています。異年齢の中で育ちあう関係を持ち、人間として豊かな心を育てることを保育の中心にしています。助け合ったり競争したり、また、模倣したりしながら子ども同士で育ちあっていく環境をつくっています。

静の遊びと動の遊び

【静の遊び】

室内では、自ら遊んでみたいという思いがもてるように、積み木・ごっこ遊び・絵本・手指を使って遊べるおもちゃなどの遊びのコーナーを4つ以上設けています。
大人が遊具を提供するのではなく、子ども自身が選んで遊べる環境を整えることで、自主性を育てています。

【動の遊び(戸外遊び)】

天神山緑地公園、河畔公園を中心に毎日のように散歩に出かけています。桜、梅の名所である天神山は、乳児でも行ける距離です。野の草花、野鳥、虫の種類も豊富で、自然を身近に感じることができます。この恵まれた環境の中で自然に興味・関心を持ち、見る目・聞く耳などの五感を養うことができます。また、子どもたちが思う存分身体を動かしながら自由に遊び、心と身体のバランスを育んでいけるようにしています。

《コラム》言葉の手渡し・待つ

保育園では、「言葉を手渡す」ということをとても大切にしています。その子の近くへ行き、その子にわかりやすい言葉で伝える。そうすることで、一回で伝わりますし、また周りにいる子にも余計な声を聞かせずに済みます。そして、自分のことを大好きな子に育ててあげたい。そんな思いもあって、否定的な言葉ではなく肯定的な言葉を手渡しするようにしています。
また、子どもの意欲を引き出すには、「待つ」ということが大切と感じています。子どもが自分でやる気になるまで大人が「待つ」ようにしています。

《コラム》禁止や否定でない言い方・してほしいことを伝えています

言うことを聞かない子どもというのは、そもそも子どもの話を大人が聞いていないということではないでしょうか。
「やっちゃいけない」などと言われれば、よけいにやりたくなるのが、子どもではなくとも人間の心理というものでょう。
したがって、禁止用語ではなく、してほしいことを伝えるのが良いです。「走り回らないで!」ではなく「ゆっくり歩いて」と言えば気持ちがいいものです。「たっちゃダメ!」ではなく「ここにすわって」と言って座る場所に手を置いてみせたりすると理解が早いようです。

《コラム》静かな環境が人間を育てる

言うことを聞かない子に大声をはりあげても子どもはますます聞こうとしません。それはつまるところ人格を無視しているからではないかと、思います。大人もふだんから、静かに立ちふるまわらなければ、良い手本を示しているとは言えないということです。
音楽を流している部屋で、親の言うことを聞かせようというのも都合が良すぎます。音楽も聞かなきゃならない、親の話も聞かなきゃならない二つ同時のことは、無理というものです。静かな環境で、静かに話しかけてくるものには、子どもも耳を傾けていくものでしょう。