2025年度(一社)白老青年会議所スローガン

「新風堂動」 ~伝統と革新、信念と行動力~

はじめに

 私は白老町で挑戦することの大切さや、不撓不屈の精神を学びました。生まれ育ったこの町が大好きです。普段は白老町議会議員として活動しており、まちをより良くするためにはどうすればよいのか、またこのまちの未来に必要なものは何かを日々考えています。その中で、何度も壁にぶつかりました。このまちで挑戦しようとするたびに、「若いからダメだ」「経験が浅いからできない」といった言葉を投げかけられ、挑戦自体を否定されたこともあります。若者が挑戦することはそんなに悪いことでしょうか。恥ずかしいことなのでしょうか。私はそうは思いません。先人たちが若いときから数々の挑戦をしてきたからこそ、今があるのだと思いますし、社会の発展において、若者の挑戦は不可欠です。
 私はこのような経験を通じて、より一層、若者の挑戦を応援できるまちにしたい、また若者が活気を生み出すまちにしたいと思うようになりました。少なくとも今、白老にいる子どもたちが大人になったとき、「挑戦することは素晴らしいことだ!」と思えるまちを作りたい。そしてそれは私たち若者自身が作り上げていかなければならないと感じています。同世代の仲間たちとともに、「挑戦を応援できるまち」や「さらに活気のあるまち」を作り上げたいと思い、私はJCに入会しました。

2025年度 理事長
佐藤 雄大

ビジョンと使命の再確認

 青年会議所は、個々のリーダーシップを養成し、地域社会に貢献することを目的とした組織です。特に、若い世代が地域の未来を考え、行動することが求められており、未来に向けた積極的な変革を推進する使命があります。そのためには、まず私たち自身がビジョンを明確にし、地域社会に貢献するために実行に移す必要があります。
 そして、今年度のテーマにはその意気込みと覚悟を込めました。2025 年度のスローガン「新風堂動(しんぷうどうどう)」は、新しい風を吹き込みながら、堂々とした姿勢で行動し、変革と挑戦を進めていくという意味を込めた造語です。「新風」は時代の変化に対応し、常に新しいアイデアや価値観を取り入れることを意味し、「堂動」は確固たる自信と誇りを持って前進し、行動していく姿を表現しています。このスローガンを通じて、私
たちは伝統を尊重しつつも、革新を恐れずに新たな挑戦に挑み、地域社会で堂々と行動し、貢献していく決意を示しています。新しい風を巻き起こしながら、確かな信念を持って未来を切り拓いていきます。

メンバーの成⾧と内部強化

 現在、白老青年会議所(LOM)は16 名で活動しており、決して多いとは言えない規模です。私を含め、昨年入会したメンバー5 名は事業の中心となっている一方で、経験が浅く、未熟な点も多々あります。また、育成が十分に行き届いているとは言えず、そのことが事業や運動にも影響を与えている現状です。
 そこで、まずは内部強化に注力します。一人ひとりが成⾧し、組織全体の力を引き出すために、研修やスキルアップの機会を充実させるとともに、メンバー間のコミュニケーションと協力を深める活動を推進します。また、地域の若者とも連携し、次世代のリーダー育成にも取り組んでいく必要があります。組織運営においては、透明性を確保し、すべての活動において協力と共感の精神を大切にし、意見を尊重し合う環境を築いていきます。
定期的にメンバーの声を聞く機会を設け、お互いに活動を支え合う姿勢を大切にします。
 多様なバックグラウンドを持つメンバー各々の個性が発揮され、協力し合うことで、より創造的で効果的な解決策を見出し、実現する力を養う組織へと成⾧していくでしょう。情熱を持ち、努力を重ね、メンバーが多様な意見を尊重し合えることが、LOM の強化と活性化につながると確信しています。また、人数が少なくても稼働率が高く、機動力のある組織を目指し、白老青年会議所のアイデンティティを確立していきます。

地域社会への貢献と連携・交流

 白老町は、海、山、川、滝、湖、温泉といった「自然」が豊かで、白老牛、虎杖浜たらこ、毛ガニ、鮭などの海産物や、しいたけ、たまごといった「食材」が豊富にあります。特産品を活かしたふるさと納税額は年々増加し、昨年度は10 億円の大台を突破し、11 億円を超えています。また、スポーツ都市宣言や歴史と文化のまち宣言も行っており、スポーツや文化芸術活動が盛んに行われています。さらに、アイヌ文化発信・復興拠点の国立博物館「ウポポイ」もあり、多文化共生のまちでもあります。直近2 年連続で200 万人を超える観光客が来訪し、インバウンドも年々増加しています。
 しかし、平成中期以降の財政悪化により、新しいことを始めたり挑戦したりすることに対して、ネガティブな感情や恐れ、不安を感じる方々が少なくありません。さらに、白老町の認知度は道内外や世界において依然として低く、町民もまちに対する誇りや魅力を十分に理解していない現状があります。
 そこで、何かに挑戦して成功体験を増やし、活気にあふれた「楽しい」「面白い」と感じる機会を増やしていくことが必要です。具体的な方策として、スポーツ・文化芸術活動の推進、子ども育成事業、まちの魅力を活かしたアドベンチャーツーリズムの可能性の模索、地域イベントの企画・運営を通じて、世代間交流や地域間交流の活性化、地域とのつながりの強化が挙げられます。また、成果を報告し、地域社会への透明性を高める努力も惜しみません。どんなに良い活動や事業を行っても、地域が知られなければ意味がありません。そのため、まちの魅力発信を含めた情報発信を徹底して行っていきます。
素晴らしい機会を創出し、共に挑戦することで、誰もがまちに誇りを持ち、活気と希望にあふれる未来が待っていると確信しています。

現代社会への順応性

 過去にない速さで時代が移り変わる現代社会において、グローバルな視点を持ち、デジタル化に順応することは必要不可欠です。
 白老町は1981 年にカナダのケネル市と姉妹都市協定を締結し、2022 年には台湾の花蓮県秀林郷と友好交流推進協定を結び、交流を深めています。ケネル市とは近年、関係が希薄化していましたが、昨年から民間団体との交流を再開しました。今年はケネル市との姉妹都市締結45 周年にあたり、改めて国際交流や姉妹都市の重要性を再確認する一年となるでしょう。
 また、日本青年会議所をはじめとする国際青年会議所は、世界112 ヵ国に存在し、国際的な視野を持つリーダーを育成しています。他国の若者との交流を深めることで、多様な価値観を理解し、自らの視野を広げることには大きな意義があります。今後、世界各国との関係をさらに広げるとともに、既存の繋がりを継続するための取り組みを進めていかなければなりません。
 デジタル化に関しては、まだ十分に浸透していない面や、デジタル技術に対する知識・リテラシーの不足、アナログな文化・価値観が根強く残っていることが課題です。デジタル化のメリット・デメリットをしっかりと理解し、AI やデータを有効活用することが重要です。また、オンライン会議やリモート出勤が当たり前になった今、都市部だけでなく、人口が少ない地域でも対等に競えるツールとして積極的に活用する必要があります。
 国際交流が気軽にできる多文化共生のまちのさらなる発展と、デジタル技術を目的ではなく手段として有効活用できる組織の構築を目指すことで、現代社会に順応することができるでしょう。

結びに

 私たち白老青年会議所は、白老町の地域社会における若者の力を結集し、未来を切り拓く存在であるべきです。共に成⾧し、支え合うことで、私たち自身の成⾧と白老町のさらなる発展に寄与していきます。
「やらない理由はたくさんある。でも、やる理由はひとつだけだ。」これは石原慎太郎氏の言葉です。
やる理由はひとつだけ──「白老町の未来のため」。さぁ、挑戦を応援しよう。