2026年度(一社)白老青年会議所スローガン
はじめに
海と森、食と文化に支えられてきたこのまちは、これからも可能性を広げていくと信じています。潮の匂いと森の色合い、白老牛に象徴される食の力、多文化が折り重なる土壌は、私の判断と行動の基準を静かに形づくってきました。仕事の現場で交わす短い言葉の端々に、このまちへの誇りと、さらに良くできる余白を感じます。私たちには、若い力が進路を選び直せる可能性も、挑戦を受け止める場を育てる力も、日々の情報を「自分の物語」へと変えていく余地もある。だからこそ私は、希望を選び、偽らず、飾らず、誠実に向き合う「揺るぎない心」で、白老で挑戦が続く土壌を育てていく決意でこの一年に臨みます。
2026年度 理事長
渡辺 詠一朗
青年会議所の使命
青年会議所の使命は、理念を掲げることにとどまりません。行動で価値を実装し、次世代へ手渡すことに意味があります。経済の指標だけでは測れない、心の潤い、人と人のつながり、学びと成長、安心と誇り。これらが重なり合うとき、地域の「幸せ」は実感を伴って見えてきます。私たちは、課題を誰か任せにせず、自分たちの課題として引き受け、行動力と発想力と連携力で応えていく実践者です。小さな一歩でも自分の名を刻み、責任を引き受ける。その一歩が次の一歩を呼び、日々の選択を少しずつ変え、やがて地域の「当たり前」を更新していく。見栄えのよい言葉よりも、暮らしに触れる確かな行いを積み重ねること。ここに、私たちの存在意義があります。
地域に息づく幸せ
私たちがめざす「幸せ」は、抽象論ではありません。暮らしの場面ごとに確かめられる実感です。家族と過ごす時間の質が保たれること。働くことが生活の土台と誇りの両方を支えてくれること。学びたいときに学べる環境が年齢や立場を問わず開かれていること。心身の健康が守られ、地域に関わることを自然に誇りと思える日常があること。こうした要素は一つひとつが小さく見えても、積み上がると地域の生きやすさを大きく左右します。備えや安全もその一部であり、人を不安にさせるためではなく、日常を守り直すための力です。白老の「幸せ」とは、劇的な物語ではなく、昨日より今日、今日より明日へと一歩ずつ良くしていく過程の中に立ち上がります。私たちはその過程を、言葉と表情と行動で共有し、次の一歩に静かに渡していきます。
人づくりの力
人を育てることは、未来への投資です。ここでいう「人」は、これからを担う若者だけではありません。初めて地域に関わりたいと考える人、仕事と家庭の両輪を回す人、新しい挑戦に迷いながら向き合う人、そして私たち会員自身を含みます。人は、誰かに背中を押されるときだけでなく、自分で自分の背中を押せるときに、最も強く成長します。課題を見つけ、仲間を集め、計画し、試し、失敗し、やり直し、完成へ近づける。この一連の経験は、知識の量ではなく、実行の質を高めます。最初の一歩は小さくていい。関わる時間が限られていても、役割が小さくても、その人の中に「やり切った」が刻まれれば、次の一歩は自ら生まれます。私たちは、経験の浅い人が安全に挑戦できる場をつくり、経験のある人が惜しみなく知恵を手渡し、挑戦の手触りが世代を越えて伝わる状態をつくっていきます。成功の物語だけでなく、未完成の試行や失敗から得た学びも共有し、次の挑戦者の背中を押す。学びは机上に閉じず、現場に根づき、現場から次の現場へと循環させます。
挑戦が巡るまちへ
人づくりの核に据えたいのは、「誰もが参加できる入口」と「続けられる導線」です。専門性の有無にかかわらず、できる範囲から始められる入口を増やす。最初の一歩を踏み出しやすい入口を増やし、関わる楽しさと手応えを感じられる参加のかたちを整えます。そして、やってみて終わりにせず、振り返りと次の機会が自然につながる導線を用意します。関わり続けるほど役割が広がり、役割が広がるほど学びが深まり、学びが深まるほど挑戦の射程が伸びる。そうした成長の曲線を、年齢に依らず描けるように支えます。白老で初めてやり切る経験が増えるほど、憧れは伝播し、このまちは「試せる場所」へと着実に姿を変えていくのです。その憧れが、次の挑戦者の出発点になります。ここで育つ手応えが、次の参加者を連れてくる。挑戦が巡るとき、仲間は必ず増えていきます。
組織の力を磨く
組織もまた、人の集まりです。少人数である現実を言い訳にせず、少人数だからこそ発揮できる強みを選び取りたい。参加した日から担える役割があり、学べば広がる役割があり、挑戦すれば任される役割がある。この段階を丁寧に整えることで、所属する価値は確かに高まります。ここでの経験が、仕事にも地域にも家庭にも良い影響として循環するように、安心して意見を言える対話、納得感のある意思決定、成長の実感を分かち合う文化を意識して育てます。とりわけ大切にしたいのは、時間を尊ぶ文化です。限られた時間で最良の働きを生むために、事前の見通しを共有し、集う理由と着地点を明確にします。伝えるべきことは簡潔に、担う役割は迷いなく、交わした約束は互いに守る。そうした作法が根づくほど、動きは軽くなり、信頼は厚くなります。
未来を担う組織へ
組織づくりのもう一つの柱は、未来を見据えた成熟です。5年先を見たとき、誰もが場を動かせるリーダーとして自然体で振る舞える。その土台をいま築きます。役割は肩書ではなく機能であり、年次ではなく意思と準備で開かれている。私たちは、価値観(誠実、対話、地域最優先)を共有し、学び合い・任せ合い・支え合い・称え合う循環を育てます。先を歩く者は後に続く者の伴走者となり、伴走された者は次の誰かの伴走者になる。伴走の連鎖が育つほど、挑戦の担い手は増え、判断と責任を引き受ける力が組織の隅々まで行き渡ります。助け合いは前提として、所属していることが誇りであり続けるように、挑戦の手応えと持続性の両方を追求します。
まちへの誇りと発信
地域の魅力は、内側の誇りがあってこそ外に届き、外からの視線でさらに磨かれます。白老の自然や食や文化は、来訪者のためだけのものではありません。暮らし手がまず誇りを持ち、仲間と共有し、訪れた人に手渡す。外からの評価や気づきを受け止め、内側の視点で磨き上げ、もう一段良い形にして返す。その往復を重ねるほど、私たち自身が思っている以上に白老は魅力に富んだまちであることがはっきりしていきます。数の大小で競うのではなく、誇りを言葉にし、行動で示す。地域の行事や日々の営みの中で、私たち自身が楽しみ、学び、関わることが、やがて訪れる人の記憶に刻まれていきます。まちへの誇りが全町に広がり、誰もが自分のまちに胸を張って語れる未来を、私たちは実感の伴う目標として共有していきます。私たちは、若い世代・子育て世代・地域の働き手に向け、白老で挑戦する意味を伝わる言葉で発信していきます。その発信の積み重ねが、白老青年会議所という名への信頼を育てます。
共に進む力
連携は、形だけでは意味がありません。誰かの「やろう」に自分の「やろう」を重ねる。成果は分かち合い、失敗は支え合う。肩書きよりも役に立つことを選び、相手の目的と地域の利益が重なるところで手を組む。そうした地道な協働は、時間をかけて信頼を醸成し、挑戦が続いていく土壌をつくります。結果だけを急がず、過程を開き、学びを共有し、未完成でも一歩を踏み出す。うまくいかなかった経験も資産として残し、次の挑戦に活かす。私たちは、背中を見せる指導ではなく、背中を並べて進む協働を選びます。共感で結ばれた地域の仲間をパートナーとして迎え、必要な力を貸し借りし、その恩を次の誰かへ手渡していく。その循環の中で、挑戦は持続可能な運動へと育っていきます。
結びに
時間には限りがあります。だからこそ、本気になれます。先延ばしにせず、今日を選ぶ。今日の一歩は、明日の誰かの出発点になります。家庭で交わされる小さな約束、職場でのささやかな改善、地域の集まりでの一つの笑顔。それらはすべて、未来への確かな投資です。私たちは、日々の営みを尊び、光を当て、言葉にし、明日へとつなげていきます。白老の未来は、私たちの手の中にあります。揺るぎない心で挑戦する一年を、ここに誓います。ともに歩み、ともに学び、ともに笑い、そして次の世代へ確かに手渡していきましょう。白老の明日が、希望という力で満たされることを信じて。
