2024年度(一社)白老青年会議所スローガン

「起死回生!!」~常識を覆す組織改革~

はじめに

 1979年、この白老町にまちをより良くしたいという熱き志を持った青年が集まり全国で651番目の青年会議所として白老青年会議所が誕生しました。その熱き志を継承し続け本年46年目を迎えました。
この間、当会は時代に即した様々な手法で白老町のまちづくりを先導し、多くのリーダーを輩出し続け、政界、行政、民間企業などあらゆる分野で多くの先輩諸兄姉が今もなおご活躍されています。

 私は2011年度より青年会議所に入会しました。実家が建設業を営んでいることから高校と短大は共に工業系に進学しました。短大を卒業後は仕事の勉強も兼ねて他所の会社でお世話になっていましたが、実家の諸事情により本来予定していた期間より早く戻って来ました。
戻って来て間もなく3人の先輩が訪れ「JCに入ってみないか」とお誘いがありました。どういう団体で何しているのかもわかりませんでした。今思えば、地域のことを分かったような気をしていながら、実際にまちに住み暮らす人たちとの関わりが薄い私に、顔が見える関係性を作らせたいと会社は考えたのだと思いますが、当時の私は自分の意志ではなく強制的に入会させられたという想いしかありませんでした。
しかし、当然のことですが会社からは「仕事を優先」と言われており、朝早い現場仕事をこなしていたため当たり前のように夜中を回る委員会活動や例会後の懇親会、土日を犠牲にする各種大会等で肉体的にも辛く嘘をついて欠席していました。
そんな中、入会4年目だったでしょうか。次年度理事者を決める選挙が7月に行われ当選をしました。と同時に社業では現場の関係で少し遠い所へ出張が決まり下宿をすることになりました。予定者理事会の段階で既に下宿をしていたため出席が叶わず、年が開けてからの理事会も全て出ることができませんでした。しかし、それでも当時の専務理事は私が来ないとわかっていても毎回必ず理事会資料をメールで送ってくれました。
ある日、ふと気付いたのです。入会してからもたくさんの言い訳をして色んな行事を欠席して、理事になってもどうせ来ない私に何故資料を送り続けてくれたのだろうと。
それから申し訳なさが動機になり、可能な限りJC活動に積極的に参加するようにしました。すると活動に参加し続ける度に得ることができる新たな気付き、各地の仲間もどんどん増えていきました。
今ではこんなに素晴らしい団体は他にはないと思っています。しかし、当青年会議所は昨今、新入会員の減少、諸事情による退会者、出席率の低下も重なりかつての勢いが失われつつあります。
先達が熱い志によって青年会議所を立ち上げ、脈々と受け継がれてきた青年会議所の在り方をいま一度見つめ直し、この先の未来を見据えどうすれば永続的に発展し続けられるか考え歩み続けなければなりません。

2024年度 理事長
道見 翔太

会員拡大とJAYCEEの育成

 2024年度は14名でスタートします。その中で2023年度の例会出席率は平均で約5割と寂しいシーンが多くありました。まずは早急な会員拡大とスリープメンバーの呼び戻しをしていきたいと思います。会員拡大も闇雲に拡大していくだけでは入会後のケアも追いつかないので拡大と育成をバランス良く行いたいと考えます。
 メンバーの成長の機会の場としてどのような小さな成功体験でも良いので、それを少しずつ積み重ね成長と楽しさを実感してもらえるような環境を提供していきたいと考えます。過去の活動や運動を知っている方なら、もしかすると温いと感じてしまうかもしれません。しかし、時代と共に大きく環境も変化しましたし、各世代それぞれの考えた方も変わりました。いまのLOMの現在地で最大源の効果が発揮できる方法を選択するべきと考えます。
 また、JCI日本公認プログラムも活用したいと思っています。経験の少ないメンバーも知識で補うことのできる非常に有効的なツールと考えるからです。JCライフを送るうえで必要な知識はもちろんのこと、仕事にも生かせるプログラムも多数あります。地域や会社においてリーダーシップを発揮できるようなJAYCEEを育成すること即ち個の成長がメンバー輩出企業への恩返しにも繋がると思います。

白老町が持つ可能性

 北海道は地域ブランド調査において、都道府県魅力度ランキング14年連続1位という他の都府県の追随を許さない圧倒的な存在感を持っています。壮大な自然が織りなす四季折々の景色、多彩な食、アイヌ文化など魅力が満載です。我が白老町もそれらに漏れることはないと思っています。
 ブランド牛である白老牛、虎杖浜たらこをはじめとする各種海産物、2020年7月12日に開業した民族共生象徴空間ウポポイのアイヌ文化体験施設、海・山・川の豊かな自然を擁し釣りや登山などのアクティビティも盛んなまちです。白老町の調査によりますとコロナ禍を経て令和4年度の観光入込客数は約220万人と、令和3年度の約168万人から131%上昇しており順調に観光客数を取り戻しています。また、コロナ禍は旅行の形を大きく変化させ、都市から離れた場所、自然やアクティビティを楽しむといった、よりサスティナブルな旅行への関心や需要の高まりという変化も見え始めています。令和5年3月に閣議決定された観光立国推進基本計画では観光立国の持続可能な形での復活に向け、観光の質的向上を象徴する持続可能な観光地域づくり、インバウンド回復、国内交流拡大の3つの戦略に取り組むこととしています。白老町にはそれらの条件を満たし高付加価値旅行の先進モデルになれると考えています。
 コロナ以前は2日間で5万人の動員を誇ったしらおい牛肉祭りや、夏の風物詩であった元気まちしらおい港祭りなど、多くの人々が一同に集う祭りが開催を取りやめてしまいました。やはり祭りの無いまちは活気や熱狂を感じず寂しく思います。アフターコロナの時代を進む今こそ、白老町の目玉となる大きなイベントを設け更なる発展に繋げる必要があります。

ブランディングの向上

 会員拡大の対象となる世代の方々や町民の方々と青年会議所のお話をする機会が度々ありますが、肌感覚でどのような団体で何をしているのか、いま一つ理解されていないのが現状です。私の会社の社員も普段どのような活動をしているか理解しておりません。
 毎年各種SNSを用いて運動の発信をしていますが、年当初は頻繁に更新するものの時間が経つにつれて滞ってしまいます。まずは運動の大小問わず発信の回数を増やすことで多くの町民の方々の目に留まり青年会議所という団体を認知して頂くことが必要です。
 そして信頼と共感を得ることで白老青年会議所というブランディングが確立され、若い世代にも知れ渡り会員拡大にも結び付いてくるものと考えています。

結びに

 フランスには『機会が人を見捨てるよりも人が機会を見捨てることのほうが多い。』という諺があります。

 青年会議所は40歳までという限られた時間の中で、入会しなければ経験できない様々な修練、多種多様な人との出会い、一生付き合える仲間、あらゆる成長の機会が提供されます。
 ただ単に入会しただけではその機会には巡り会えません。まずは参加する事です。参加しなければ何も始まりません。自ら積極的に参加し機会に出会い掴みとっていかなければ何も得ることなく時間だけが過ぎあっという間に40歳を迎えます。
時間もお金もたくさん使うし、家族や会社からは文句や嫌味を言われ無駄と思うことがあるかもしれません。しかし、しっかりと機会を自分の物にしていけば、いつか40歳を迎え卒業する時、流す涙の色が変わってくることでしょう。
人生一度きり、本気でやってみようよ。