2019年度(一社)白老青年会議所スローガン

はじめに

「不安や恐怖で結果は変わらない。信じる力だけが結果を変える。」

 人間には平等に夢を持つ権利がある。では、なぜ夢を叶える人がいるのに叶えられない人もいるのだろうか。そんなことを毎日考えて生きてきた。
 ある日、21歳の青年は「心に描いた夢は必ず実現する」という言葉と出会う。しかし当時は、何よりも仲間と遊んでいる時間が楽しかったし、夢を実現させようとする思考をもつことがなんだか照れくさかった。そして、その言葉と正面から向き合うことができないまま27歳を迎える年に青年会議所に入会した。
 青年会議所に入会してからは、たくさんの仲間と出会うことにより、あらゆる刺激を受け、それまで気づくことができなかった「夢」の大切さを実感した。「夢を実現させるためには、何かを変えなくてはならない」そんな焦りから書物を読み漁り気づいたことがある。夢を実現させている人は言葉こそ違うが、いつも同じような事を教えてくれていた。「他人に馬鹿にされても反対をされても、一度決めた夢と自分を信じて疑わない」「まだ見ぬ未来に不安や恐怖を抱いても仕方がない」「過去に執着をしても何も生み出さない」「信じた夢に向かって懸命に今を生きろ」と。様々な教えがあるが、私の数少ない成功体験と重ねてみても、うまくいくときは確かにその教えにあてはまる。だから、まずは夢に向かう自分を徹底的に信じることにした。そして、覚悟をもって時代を創ることを心に決めた。青年会議所という組織として、世の中に蔓延する「できない」を「できる」に必ずや変えてみせる。

2019年度 理事長
鈴木 裕輔

平成の終焉と新時代の幕開け

 初代・神武天皇から万世一系として続く世界最古の国、日本。今上天皇の生前退位により、平成という一つの時代の終焉を今春迎えようとしている。時を同じくして、わがまちは民族共生象徴空間の一般公開を2020年に控え、新たな時代の息吹を肌で感じ、胸の鼓動を刻々と高めている。
 元年に4歳を迎えた私の人生は平成とともに歩んできた。それゆえに、様々に起こる時代の変化と成長を目の当たりにしてきた。青年会議所の会議は、手書きで作った資料を人数分のコピーをして配布していたと聞いたが、現在ではパソコンで資料作成を行い、前日にはメールによる一斉送信にて配信される時代になった。日々の生活の中で、わからないことがあればすぐにインターネットで検索することができ、買い物もワンクリックで可能な時代である。今日できなかったことが明日にはできるようになる。平成はそんなスピード感あふれる時代となった。
 近年では人工知能(AI)が注目を集める。AIとは、人間の使う自然言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするコンピュータプログラムのことである。さらには、シンギュラリティについても論じられている。つまり、人間の想像力が及ばない程に優秀な知性が誕生するという仮説が立てられているのだ。だがしかし、果たしてそれでいいのだろうか。「まちづくり」と「ひとづくり」の運動を推進してきた組織の人間としては強い危機感を覚える。何もかもがコンピュータにより管理され、ひとによる交流が薄れてしまう可能性は少なからずあるはずだ。手作り感がいっぱいでぬくもりのあった街や、人情溢れる商店街は殺風景となり、現代でもすでに薄れつつあるが、さらに不人情な世界をもたらす事も懸念される。確かに便利な世の中になった。これからの時代でAIを活用しない手はないだろう。しかし、時代の創生をコンピュータプログラムに任せるだけの世界にしてはいけない。先達から紡いでいただいた歴史と経験を、心をもって継承する必要があるのだ。これだけはコンピュータプログラムには担うことができない私たちの責務である。

青年会議所という組織と魅力

 一人でも多くのメンバーが活動できる環境を提供する事こそが青年会議所(JC)という組織の本質であると学んだ。しかし、近年のメンバー数は新入会員よりも卒業会員の数が上回ることにより、著しく減少傾向にある。会員減少に伴い、運営と組織構成が非常に難しくなっているのが現状である。入会対象者を発掘しアプローチをかけることはもちろん継続するが、同時に入会対象者をはじめとする多くの人々が賛同したくなるような魅力を持ち、真に求められた青年の運動の展開が不可欠である。それこそが入会への最大の広報だと考える。また、我がLOMは平均年齢が非常に若く、更には入会間もないメンバーが増えているのが現状である。40年間紡いでいただいた白老JCの気質を全メンバーにしっかりと継承し、JCプライドを胸に地域のリーダーとして活躍できる環境を整えなければならない。
 JCプライドとはLOMや青年会議所という組織にプライドを持つという事ではなく、数ある組織の中からJCを選んだ自分の人生にプライドを持つということである。戦後の混沌とした時代から今日までの歴史を築いてきた組織と自分の選択を信じてともに歩もう。

2020年の故郷(ふるさと)を見据える

 民族共生象徴空間の一般公開を翌年に控え、ソフト及びハード面にて慌ただしく環境整備が行われている。国の計画では年間100万人が同施設に来場する見込みだ。では、来場者をどのように取り込むことで、まちの経済を活性化に導くことが出来るのだろうか。
 白老町は社台地区から虎杖浜地区まで6つの駅で構成され、一極集中することなく東西に細長く広がる地域である。また、各地域にスポットこそあるものの交通の便や周知不足により観光客をなかなか取り入れることができていないのが現状だ。海、川、山、森と自然に囲まれ、夏は涼しく冬は積雪が少ないといった穏やかな気候であり、居住地としても非常に恵まれた地域であるのは事実である。また、食のブランド力はわがまちの生命線となった。しかし、自然環境に恵まれ、都会ではできない体験と美味しい食材を頬張れるこのまちの認知率はまだまだ成長過程にある。
 いま、本当に必要なことは何なのか。本質を見極め、そのベクトルに沿った課題を探求し、来(きた)る2020年を見据えて大切な1年間を構築する。
 私は故郷の可能性を心から信じている。

夢を叶える子供たちの育成

 我々が幼少期に夢見た近代社会の到来により、子供たちの手には当たり前にスマートフォンやタブレットが握られる時代となった。毎日、数多くのアプリケーションが生み出され、ゲームやSNSの急速な普及により、日々の生活の中で対話することによって生まれる喜怒哀楽の意思表示や協調性など、古き良き時代のわが国にあった心のふれあいが薄れつつある。それによって「和の心」を忘れてしまった子供たち。また、「和の心」を忘れたまま成長した大人が社会に出た際に、現実と向き合うことができずに苦しんでいる。だからこそ、子供の頃から夢を持ち、自身を肯定し、仲間との感動の共有や何かをともにやり遂げる達成感を味わい、社会道徳心の向上を実現する必要がある。そして、心の奥底から「和の心」を呼び覚ます事業とする。
 小さなことでも構わない。夢を叶える喜びを知っていると、次の夢へと羽ばたける。子供たちは宝だ。そして、次の世代を担う勇者でもある。

北の大地は屈しない

 9月6日午前3時8分に突如として発生した平成30年北海道胆振東部地震。最大震度7を記録する大規模な地震により41名の尊い命が失われ、691名という負傷者が出た。地震発生直後から全道的に停電が発生し、情報収集が出来ないまま余震への不安を募らせ、停電解消後にも経済的ダメージが大きく日常生活における不便が続いた。普段どれだけ電気のある生活に依存していたかを知らしめられた経験を基に、不意の出来事に対する備えが今後の災害時における課題になることは必須である。
 我が組織は、災害時及び防災活動に関する協定を白老町と締結している為、万が一の災害発生時に備えるべく対応策を明確にし、十分把握したうえで情報共有をする必要がある。人間は自然災害に対し、あまりにも無力だ。今一度防災と減災についての意識を高めて行動することが何より大切だと実感させられた経験を忘れてはならない。
 北の大地は屈しない。私たちはこれからも愛する北海道とともに生きる。

リーダーはやさしくあれ

 「やさしくあるためにつよくなる」日本青年会議所会頭を歴任された安里繁信先輩の信条だ。人にやさしくするためには、まず自分自身の足でしっかりと地に立ち、己の行動に確固たる信念を持つことが大切である。自分が弱くて他人に優しくできるわけがなく、自分のことを守れない人間が他人のことを守れない。だから、リーダーは己を律し、己を信じ、何事もやりきる強さと覚悟と気概が必要である。そうすることで、必然的に他人にも「やさしく」なれるのではないだろうか。
 まずは、あなたが強くならなければ愛する故郷を守れない。

青年経済人としての成長

 青年経済人と呼ばれる我々は、各々の企業においても強いリーダーシップを発揮できなければならない。あらゆる業種や立場を持ったメンバーが活動をしている我が組織は、日常会話一つをとってもビジネスチャンスや人間力を向上できる恵まれた環境にある。また、社会常識や一般常識の認識は当然のことであり、ビジネスマンとして常に一歩先行く人間でなければならない。人を動かす事ができ、物事をポジティブに捉えてできると信じ、チャンスを必ずものにする真に強いリーダーを育成し、社会全体を豊かにする必要がある。

持続可能な開発目標(SDGs)の発信

 2015年9月に開催された国連総会にて全会一致でSDGsは採択された。2030年までに達成するべく17の項目を定め、発展途上国や先進国を問わずに全ての国が同じ目標に向かって取り組む計画である。ASEANにおける認知率は高くベトナムは約80%、フィリピンでは約70%となっているが、日本は約15%とまだまだ世間の認知率が低いのは明白である。しかし、我々の展開する運動とSDGsは、必ずと言っても過言ではないほどに連動している。従って2019年度は全ての事業に対し、対応する目標番号を振り分けて世間にSDGsを発信する取り組みを行う。おそらく数年後には100%に近い国民が知ることになるであろうSDGsを青年会議所が率先して取り入れることにより、社会認知に大きく貢献できるチャンスでもある。そして、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現しよう。世界を創るのは国である。国を創るのは、各地域の懸命な取り組みであると信じている。

おわりに

 誰の心にもヒーローがいるのではないだろうか。
 K-1というキックボクシングの興行で、ヘビー級の試合よりもミドル級の試合の方が面白いと世間に言い放った選手が私のヒーローである。その選手は世間から「ヘビー級よりもミドル級の人気が上回ることはない」と否定をされ続けた。しかし、その選手はミドル級の魅力に確信をもち、己を信じて毎日の努力をやめなかった。いつしかミドル級はヘビー級以上の盛り上がりを見せ、社会現象になるまでの発展を成し遂げた。さらには、日本人の体格では難しいと言われていたミドル級の世界王者になる夢を二度も叶えた。

「こうしたい」という程度の思いの強さでは駄目です。本気で「こうする」と思うから、そのために何をやらなければいけないのかということがわかってくるのです。人生は思ったことしか現実にならないのです。

K-1 WORLDMAX 2003/2008 世界王者
魔裟斗

誰かに任せるのは、終わりにしよう
己が決断した瞬間に未来は変化する
青年たちよ、須(すべから)く奮起せよ
新時代の創生は我々の責務である

基本理念

自分と仲間を信じ抜き、青年の責務を全(まっと)うする

基本方針

1.真に求められる青年会議所運動の展開
2.誇り高き故郷の創生
3.夢を叶える青少年の育成
4.気概に満ち溢れた青年経済人の育成